スピニングからベイトロッドへのカスタム方法
出来る限りベイトで釣りがしたい!!
そんなベイトタックル愛好家達も増えてきているように感じます。
今回は、スピニングロッドをベイトロッドにカスタムする方法をご紹介します。
スピニングロッドとベイトロッドの違いは?
大きく異なる部分は、2点あります。
1点目は、使用する際のロッドの向きですね。
ラインを通すガイドリングを下向きにして使用するのが【スピニングロッド】。
逆に上向きにして使用するのが【ベイトロッド】。
したがってリールの取り付け部分が、ロッドの上側になるベイトロッドは、キャストや操作する際に重心が安定しずらくなるため、【トリガー】と呼ばれるサイの角のような突起物が、リールシートに取り付けられています。
ロッドを握った際に、指の間に引っかかるようになり、安定性が生まれ、ほぼ全てのベイトロッドにのリールシートはそのような設計になっています。
2点目は、ガイドリングの大きさです。
ラインを放出する構造に違いがあるため、ガイドリングの大きさが異なります。
スピニングリールは、スプールから螺旋状にラインが放出されるため、ラインの振れ幅が大きくなるため、ガイドも大きくなります。
ベイトリールは、スプール自体が回転してラインが放出されるため、ラインの振れ幅が小さく、ガイドも小さくなります。
ティップ側のガイドは、バット側ガイドで振れ幅を絞られた状態なので、スピニングもベイトも同じように小口径ガイドが使用されています。
スピニングロッドをベイトロッドにするためには
①トリガー付きのリールシートに交換する
②バット側ガイドを小さくする
この2点を変更する必要があります。
それでは、その2点を変更する作業手順を紹介します。
手順1 トリガー付きリールシートへの交換
今回カスタムするロッドは、アングラーズリパブリックのエゲリア。
サツキマス用に購入した7’3”のスピニングロッドです。
グリップパーツを全て外し、新たなベイト用のグリップパーツを組み合わせる方法が一般的ですが、今回はヒトトキワークスのチャンピオンフェルールの付いたロッドを固定することが出来る、ヒトトキワークスのハンドルに組み合わせれるようチャンピオンフェルールをブランクに取付けるカスタムを行います。
▼今回組み合わせるグリップジョイントシステムが取り付けられたベイトタイプのハンドル
ウッドリールシートを使用したグリップの製作方法はこちらのブログでご紹介しています。
まずは、チャンピオンフェルールを取付けるために、フェルール取付位置でブランクをカット
今回は従来のグリップとヒトトキワークスのハンドルの長さが同じだったため、ブランクをカットする部分を、フロントグリップすぐ上のアルミパーツすれすれでカットしたいと思います。
注意点!!
①今回カスタムするロッドのブランク外径が、約9mmあったため、ブランク内にシャフトフェルールを差して接着しますが、ブランク外径が7.1mm以下の場合は、ブランクをアルミフェルールに差し込んで取り付けれるため、アルミフェルールに差し込む部分を残してカットしてください。
②ブランクカット位置は、ハンドルをバット側の#2に取り付けた状態で、ティップ側の#1と同じ仕舞寸法になるようにした方がよろしいかと思います。
▼ブランク外径7.2mm以上の場合、ブランク内側にシャフトを差し込んで取り付けるタイプのシャフトフェルール
▼ブランク外径7.1mm以下の場合、ブランクをフェルールに差し込んで取り付けるタイプのアルミフェルール
今回はシャフトフェルールタイプを使用するため、アルミパーツ擦れ擦れでカットするために、作業の邪魔なフロントグリップをほじくります。
フロントグリップを作業に邪魔にならない程度外したら、次にブランクをカットします。
画像はリューターを使用してますが、鉄のこでも、カットできますよ!!
この時、アルミパーツを傷つけないようギリギリを一気に攻めるのではなく、少し余裕を持って、ブランクがはみ出た状態でカットします。
フェールールの取り付け
ブランクがカット出来たら、紙やすりで断面が平行になるようにアルミパーツ擦れ擦れになるように調整していきます。
次に、アルミフェルールの取り付けです。
フェルールのシャフト外径と、ブランクスの内径に若干の隙間があるため、スペーサーテープで調整し、隙間を無くしてから接着します。
2液性のエポキシボンドで接着したら完成です!!
ブランクス外径7.2ミリ以下の場合は、ブランクスをフェルール内に入れて接着する「インナーフェルール」が使用できます。
こちらの動画(3分ごろから)で作業方法がアップされていますので参考にしてください。
これで、グリップはベイト仕様となりました。
残すはガイドの小径化のみです!!
手順2 バット側ガイドの小径化
冒頭の説明で述べたとおり、スピニングロッドとベイトロッドの違いは、バット側ガイドの大きさの違いです。
今回のスピニングロッドは、主に下から4個のガイドで、螺旋状のラインを直線になるように絞り込む【チョーク】を行っています。
スピニング用のガイドを取り外していこう
富士工業のガイドサイズで、下から25→16→10→7とサイズダウンをさせたガイドリングとなっていました。
これを、下から10→8→7→6にサイズダウンさせベイト仕様のガイドに変更していきます。
まずは、交換するガイドをカッターで外していきます。
ガイドの足にカッターの刃を当てるように、スレッドを削ぎ落し、ブランクに傷が入らないように注意が必要してください。
ベイト用のガイドを取り付ける
どうしてもガイドを外した痕が残りますので、残ったコーティング剤をドライヤーなどで温めながら、プラスチックや木材で擦り落として平らにしてから、ガイドの取付けです。
ガイドの外した痕を隠すためにも、バット側ガイドの2個はダブルラッピングと呼ばれる、下巻きをガイドの長さプラス分でガイドを乗せる土台として巻き、下巻きをコーティングしてからガイドを取付け、またコーティング。
どうせならと、遊び心を取り入れたスレッドカラーで取り付けてみました。
もう2つのガイドは、通常のシングルラッピングで、サイズダウンしたガイドを取付けコーティング。
コーティングを繰り返し、希望の厚さになったら完成です。
これで、グリップジョイントタイプのハンドルを使用した、スピニングロッドからベイトロッドへのカスタムが完了です!!
早速実釣テストしてきましたが、良い感じのベイトロッドに。
サツキマスが釣れれば綺麗に締まるのだが、そこはご愛嬌で。