【自作DIY】渓流ルアー用トラウトロッドの製作(コーティング・チャンピオンフェルール取付編)
前回ブログにて、渓流ルアー用トラウトロッドのガイドの取り付け方法をご紹介させていただきました♪
今回は、ガイド取付編の続編。
【コーティング】と【チャンピオンフェルールの取り付け】についてご紹介させていただきます。
↓今回製作する完成ロッド画像↓
エポキシコーティングに使用する道具
エポキシコーティングを行う上でどんな道具が必要なの??
釣り人であっても知らない方がほとんどだと思います。
まずは、コーティングに必要な道具の説明をさせていただきます。
エポキシコーティング剤
ガイドや飾り巻きに巻いたスレッドをコーティングするためのエポキシ系コーティング剤。
エポキシボンドとは異なり、無色に近く粘土が低い素材です。
3回ほどに分けて繰り返しコーティングすることで、仕上がりが綺麗になります。
※画像の商品は、現在開発中のとんでもなく無色で仕上がりが綺麗になりやすいコーティング剤!
計量カップと爪楊枝
エポキシコーティング剤を入れるための容器。
A液・B液を爪楊枝でかき混ぜてください。
筆
コーティング剤をスレッドに塗る際に使用する筆。
専用のものでなくても代用可能ですが、ナイロン製の筆の方が適度に張りがあり使用しやすいです。
コーティングモーター
エポキシコーティング剤は、ある程度まで固まるのに8時間ほど掛かり、完全硬化は24時間です。
8時間ほどは回転させないとコーティング剤が垂れてしまい、仕上がりが綺麗になりません。
モーターなしでコーティングを行うことも可能ですが、超薄塗りをたくさん繰り返して行う必要があります。
仕上がりも綺麗にはなりません。
価格は¥5,500(税抜)とリーズナブルで、昔は1万円程する商品しか存在していませんでしたが、このモーターが発売されてからロッドビルディングにチャレンジする方が大幅に増えました。
手順1 チャック抜け防止処理
ガイド付けが終わったロッドをモーターに掛けて、コーティング剤を筆塗り(3~4回ほど)をしてガイドや飾り巻きのコーティング作業を行います。
まず、モーターに掛ける前にチャック抜け防止処理を行いましょう!
この処理を行わないと、コーティング乾燥中にモーターからロッドが外れてしまいコーティングの失敗を起こすことがあります。
スペーサーテープなどをブランクの根元に巻いて、ストッパーを作ります。
モーターが回転し続け少しずつチャックがずれても、このストッパーによってチャックが外れてしまうトラブルを防いでくれます。
手順2 エポキシコーティング剤の配合
ロッドをモーターに掛けたらいよいよコーティング作業を行います。
エポキシコーティング剤は、2液性となっています。
そのため、主剤・硬化剤を1:1の割合で取り出し混ぜ合わせます。
コーティング剤によっては、1:0.8の割合の商品も存在しますのでご注意ください。
手順3 コーティング作業
コーティング剤を混ぜ合わせた直後は、気泡が入っていますので2分ほど放置して気泡がある程度抜けるのを待ちます。
筆塗り
気泡がある程度抜けたら、コーティング剤を筆塗りしていきます。
※モーターの回転する方向は、ON・OFFを繰り返すことで切り替わります!!
コーティング作業は3~4回繰り返して完成させます。
厚塗りで仕上げようとすると気泡が中に残ったまま失敗してしまうことがありますので、薄塗りを繰り返します。
湿度が高いと、乾燥したコーティング表面にブツブツが出たり白濁する可能性もあるため、晴れの日に作業をした方が失敗しにくいです。
どうしても雨の日に作業する場合は、除湿して作業をした方が良いです。
室内の気温が10度以下になる場合も、コーティング表面に艶がなかったり硬化不良が起きる場合もありますので注意が必要です。
アルコールランプで温める
全てのコーティング箇所を塗り終わったら、アルコールランプを3回ほどくぐらせて温めます。
コーティング剤が温まることで、粘土が高くなりスレッド内に染み込みやすくなったり、表面がなだらかになります。
炙りすぎるとコーティング剤が沸騰しますので、一瞬だけ炎に当てる作業を一カ所につき3回ほど繰り返します。
ガイド部分は、フレームとブランクスの間にコーティング剤が流れ込んでくるはずですので、しっかりと流れているか確認します。
コーティング剤がフレーム裏側部分に流れ込まない場合は、塗る量が少なすぎるため再度コーティングをしてアルコールランプで温めてください。
完全硬化までは24時間ほど掛かりますが、8時間ほど回転させればかなり効果は進んでいますので重ね塗りが可能になります。
2回目のコーティングが完了した時点で、コーティング表面にブツや糸のトゲがあるようでしたらカッターで削ぎ落とします。
合計3~4回のコーティングをしたら完成となります!!
手順4 チャンピオンフェルールの取り付け
コーティング作業が完了したら、残すはフェルールの取り付けのみです。
フェルールは内径Φ5.6のものを使用します。
内径調整作業
ブランク外径がΦ5.4ほどのため、そのまま取り付けると若干のガタツキが生じます。
そのため、薄いマスキングテープを両端に貼ってガタツキをなくしてから2液以西のエポキシボンドで接着します。
※ガタツキガ生じたままだと、中心からずれてしまったり接着後も「カチカチ」と異音が発生する場合がありますので、この作業を行った方が失敗は少ないです。
2液性エポキシボンドで接着
フェルールの接着には、トップガイドの接着でも使用した5分型(5分後に硬貨が始まるタイプ)の2液性エポキシボンドを使用します。
主剤・硬化剤を1:1の割合で2センチほど取り出し、30秒ほどしっかりと混ぜ合わせます。
混ぜ合わせた接着剤を、フェルール内部に少量塗布します。
ブランクスにも接着剤を塗布したら、フェルールをゆっくりと回しながら差し込んでいきます。
完全に差し込むと、接着剤がはみ出しますので、アルコールを含ませたティッシュまたはウェットティッシュで綺麗に拭き取ります。
完成!!
中に残った空気で自然と引き戻される可能性がありますので、10分ほどは目を離さず硬化を待ったら完成です!!
チャンピオンフェルールを取り付ければ、グリップジョイントシステムの取付けられたグリップに取り付けが可能になります。
最後に
チャンピオンフェルールは、チャック部分(つかむ部分)の外径がΦ9.0~9.3ほどで統一されています。
ごく一部ではチャンピオンでルール規格ではない独自のフェルールを採用しているメーカーさんも居ます。
その場合は、グリップジョイントシステムの取付けられたグリップに装着できませんのでご注意ください。
今回ご紹介したコーティングとフェルールの取り付け方法は動画でもご紹介していますので、ご参考になれば幸いです。