渓流トラウトロッドの素材
渓流ルアーロッドの素材
最近の渓流ルアーでは、グラスロッドやグラスとカーボンを組み合わせた超低弾性なコンポジットブランクが流行りのような感じがしますね。
ヒトトキワークスでも、2020年7月にいよいよ950ミリの低弾性カーボンを使用したショートロッド「RUNTMAN」を販売します。
低弾性カーボンのショートロッドに魅力を感じている方がよほど多いのか、予想を上回る予約数で正直驚きです。
まず、グラス素材とカーボン素材の違いやメリット、デメリットをヒトトキワークス的な勝手な解釈でまとめてみます。
グラスロッドとは
カーボン素材が生まれる前は、釣竿の主流素材でした。
ガラスクラスと樹脂素材で、出来ておりグラスロッドの中でも、棒状のグラス素材を旋盤で削り出したソリッド【無垢】タイプと、芯金から成形したチューブラ【中空】タイプが存在します。
グラス素材は、釣り以外にも旗やアンテナ、様々な支柱、農業だと野菜を守るビニールの骨組みなんかにも使われていますね。
ソリッドタイプの特徴
無垢素材となるため、素材自体は重く、中空素材と比べ、曲げた際の限界強度が非常に強くなる特徴があります。
そのため、船のエサ竿やカジキマグロのトローリング、カツオの一本釣りまで、主にキャストを必要としない負荷の強い釣りに使用されています。
また、中空素材と比べて、硬さ【張り】がないのも特徴です。
なので、エサ釣りでは、魚が違和感なくエサを食い込みやすくなるだけでなく、船の揺れを吸収するメリットもあります。
渓流でグラスソリッドが使用される理由
素材の自重が重いことで、キャストする際、軽いルアーでも勝手に竿が曲がってくれるため、安定してキャストがしやすく、ピンポイントキャストが必要となる渓流ルアーには、メリットとなります。
グラスソリッドは重くないのか
カーボンに比べたら重いです。
ただ、使用するルアーの重さは、5g程度のため、太い素材のグラスソリッドを使用する必要性がなく、遠投の必要性もないので、ショートロッドにできるため「重さ」によるストレスは最小限に抑えられます。
その他のメリットとして、投げてて楽しい♪
小さい魚でも曲がるから楽しい♪ことが最大のメリットだと思います!
さらに、大物とのやり取りは、竿の弾力で暴れにくく、フックも伸びにくい、ラインブレイクもしにくくなります。
グラスチューブラ素材の特徴
中空素材の場合、ソリッド素材と同じ外径だった場合、中空素材の方が反発力が強くなります。
そのため、必要なルアー負荷に耐えれるための素材量が少なくなり軽くなります。
カーボンに比べたら、重いし、反発力も弱くなります。
グラスソリッドとカーボンの中間の位置付けかと感じます。
チューブラ素材はどんな釣りに使用されるのか
グラスの低反発を活かしつつ、硬さと軽さを求めたい釣りにはピッタリかと思います。
具体的には、
・ある程度重いルアーを扱いたい!
・ショートロッドではなく、ある程度の長さが必要だ!
・低弾性なロッドが良いが、グラスソリッドよりも少し反発力を出したい!軽くしたい!
そんな不満を満たしてくれるのではないかと思います。
人によって重視する部分が違うため、この素材が良いとは言えませんね。
メリット、デメリットを理解して頂いた上で、ロッド選びの参考になれば幸いです!!
グラスソリッドのデメリットを埋める「低弾性カーボン」
グラスロッドは、短くてもしっかりしなってくれるため、キャストが安定しますが、デメリットは以下となります。
1. バットまで曲がってしまうために、フッキング性能が悪い
2. 感度が悪い
3. 反発の弱さにより飛距離が出ない
4. ティップ収束スピードの遅さとバットが曲がりすぎてしまうことによるハイピッチなルアーアクションができない
5. 自重が重いことで手首に負担がかかる
グラスソリッドの最大のメリットである、キャスト性能を残しつつデメリットを排除したのが細身+肉厚設計の低弾性カーボン。
グラスソリッドのようにしなやかなティップを持ち、しっかりとした張りのあるバットでストレスのない攻めのアクションを埋めるのは、低弾性カーボンではないでしょうか。