こんにちは、代表のYOです!
北海道で初めての冬を経験し、毎日がワクワクな日々を送ってます。
昨年の4月に静岡から北海道に移住し、釣りの環境変化も大きく異なりました。
昨年はそんな環境の変化もあり、さらにはルアーの3種類のリリースも翌年に控えていたため、ルアーのフックに対しても今まで以上に深く考える一年でもありました。
ルアー開発をこだわって進めている身として、せっかくルアーが魚のスイッチを入れ喰ってきたのに、フック性能によって釣果に繋がらなかったり、最悪の場合魚を傷つけて、元の場所に返してあげれなかったりする瞬間がどうしても生じます。
釣り場環境も変わり、ルアー開発を進めていくと、やっぱり細部までこだわりたいなという想いが強くなり・・・
そんな想いが強くなり、自分が理想とするフックを搭載できないかと考えるようになりました。
たまたま幼少期の幼馴染でもあり、釣り仲間と後輩がソルト界で人気のBKKというフックメーカーという偶然も重なったこともあり、開発期間の末に2025年リリースのルアーには、理想を追求したオリジナルフックが搭載されることが決定しました!
そんな【渓流フック】について、今回は書いてみたいと思います。
渓流フックの性能に重要視する部分とは?
皆さんは、フックに対してどんな性能を重視しています??
自分はというと、過去の経験から3つのことを重要視しています。
①シャンクは極力短く、魚へのダメージを最低限に
②不意な大物でも折れない・伸びない
③掛かりがよく、バレにくい
自分の場合、上から順に優先している感じです。
魚を傷めないフック
魚を傷める釣りをしていて、矛盾しているのは分かっていますが、それでも渓流魚が大好きで、少しでもダメージを抑えて元の場所へ返してあげたい。
自分の中では、その瞬間の釣果よりも長く釣りを楽しむために、大切にしている部分でもあります。
シャンクというのはフックの軸部分の名称で、この【シャンク】が長いと、ルアーのボディからフックポイントが離れます。
この距離が離れれば離れるほどに、魚の目やエラに掛かり痛めてしまうリスクが高まる実感があります。
また、小型ルアーの場合、フック同士が絡み合うリスクまで発生しやすくなりますね。
フック同士が絡み合うストレスは、本当に大嫌い!!
IGNA50Sで使用しているスイミングフックは、割とフックポイントがルアーボディから近く、そのリスクを最小限に抑えています。
掛かりやすくバレにくいフック形状とは?
あらゆる既製品のフックを試し、見えてきた部分。
今回オリジナルフックでは、ストレート形状のシングルフック仕様としています。
①なぜストレート形状にしたのか?
まずは、基本形状から。
IGNA50Sでは(写真下)、カーブ形状のフックを採用しました。
カーブ形状の良い点は、フックポイントの消耗が遅れること、しっかりと刺されば深くまで刺さるとされています。
逆に悪い点では、掛かりが悪く、渋い状況下では不利に働きます。
今回オリジナルで設計した形状(写真上)は、ストレート形状で、掛かりやすく、現代のシビアな渓流釣りに適した形状だと思います。
悪い点ではフックポイントが甘くなりやすく、深くまで刺さりにくいとされています。
内側にどの程度のテーパーを掛けるのか。
形状が外に開いていればいるほど掛かりやすいが、石などによって摩耗するリスクも高まる。
その具合を調整し、最適だと判断した角度が写真の角度。
そして、ゲイブ(軸とフックポイントの幅)を少し広めに設定することで、掛かりが浅くなるリスクを軽減しています。
さらにフッ素コート処理もしているので、さらなるフッキング性能を向上させてくれています。
折れない・曲がらないために
過去に経験して一番悔しい想いをしたのがこの現象。
特に、大型化したトラウトが多い北海道ではこのバラしが増えるんです。
なので、フックの軸は太くすれば良いと思いがちですが、せっかくの形状で掛かりやすくしているのに、極端に太くするとその【掛かりやすさ】にも悪影響を及ぼします。
オリジナルフックでは、その部分をクリアするために、【叩き処理】を採用しました。
一般的な既製品は叩き処理がされていない、丸軸のフック。(写真右)
叩き処理(写真左)をすると、フックが曲がろうとする方向に対して、軸を太くすることが出来ます。
分かりやすく絵にするとこんなイメージです。
※絵がヘタクソでごめんなさいm(__)m皆さんの想像力が頼りです。
この処理のおかげで、フックが曲がろうとする方向に対しての軸の幅を稼げて、強度が向上します。
なので一見太軸のフックに見えても、全体の軸面積はそこまでではないから、刺さりやすさを維持できるようになります。
スイミングフックとの比較
IGNA50Sでは、スイミングフックを採用しました。
スイミングフックは、フックの可動域が広く、掛かった後のバレにくさは優れるとされています。
ですが、使用パーツの多さからコストが高く、消耗も早くなります。
北海道という大型魚が多く生息する土地で、スイミングフックと通常のシングルフックを使ってみて、性能にそこまでの差が実感できなかったこととが大きく、コスパ的なメリットが上回るのではないかとシングルフック形状に決定した背景があります。
釣りをする上での性能、そして魚への最小限なダメージに抑えたフックとして理想のフックにしました。
フック単体での販売が出来るかは未定ですが、2025年リリースのルアーIGNA42S・IGNA63S・UKUR50Sには採用していますので、その性能を体感して頂ければと思います。