渓流釣り用ロッドビルディングパーツ・着脱式ロッド専門店

 

Hitotoki Works(ヒトトキワークス)では、ロッドとグリップが脱着するシステムを取り入れた渓流ロッドをつくっている小さなメーカーです。

 

自作用ウッドリールシート

 

 

流行の移り変わりも、秒単位の早いスピードでで日々変化していくルアーフィッシングの世界。

 

近年では、ベイトタックルを用いて渓流ルアーフィッシングを楽しむ方が急増しています。

 

 

数年前までスピニングタックルで渓流魚を狙うことが当たり前だった渓流ルアーフィッシング。

 

なぜ、ここまでベイトタックルを用いた【渓流ベイトフィネス】が主流となってきたのか、ヒトトキワークス的な考察でまとめてみたいと思います。

 

 

渓流ベイトフィネスを始めたきっかけ

 

バスフィッシング界でベイトフィネスが流行しだした、2009年頃。

 

各メーカーで軽量ルアーがキャストしやすいよう軽量スプールを搭載した【ベイトフィネスリール】が一斉にリリースされました。

 

今でも覚えていますが、当時釣り道具屋に勤めていた自分は、2009年にシマノから【アルデバランMg7】が発売された翌年頃に、渓流でも絶対に使える!!と確信し、渓流ベイトフィネスの釣りを取り入れようとしました。

 

09アルデバランmg7

 

ですが、渓流ルアーの釣り=スピニングタックルが常識だった当時は、今でこそ多く存在するベイト用のトラウトロッドがほとんど存在しなかったように記憶しています。

 

恐らく、ベイトフィネスリールの登場と同時に、バスフィッシングをやっていた方などは渓流ルアーでの流用を考えていた方も多いかと思いますが、ロッドが存在しないためにベイトタックルでの渓流ルアーフィッシングを諦めてしまった方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、ロッドづくりも仕事としてやっていた経験を活かし、「ないなら作ればいい!」と思い立ち、スピニング用の渓流ロッドを破壊しベイトタックルにリメイクして初めて渓流ベイトフィネスの釣りを経験した際は、「こんなにもやりやすくなるのか・・・」と感動した思い出があります。

 

 

渓流ベイトフィネスが有利な理由

 

なぜ、今までのスピニングタックルと比べ、ベイトタックルだと渓流ルアーフィッシングがやりやすくなったのか。

 

ベイトリールの印象だと、キャスト時にラインがクシャクシャになる「バックラッシュ」を連想する方も多いはず。

 

スピニングタックルのようにキャスト時に手首のスナップを利かせ過ぎてしまうとバックラッシュを起こしやすく、最初はコツを掴むまでに多少の時間は掛かるかもしれません。

 

普段釣りをしていてバックラッシュをしてしまう状況は稀なぐらいに、ベイトフィネスリールの性能はとんでもなく高く、そのデメリットはほとんど感じられないかと思います。

 

先日、釣り初心者の友人にいきなりベイトタックルを貸して、渓流ルアーに初チャレンジしてもらいましたが15分ほどのキャスト練習で、それなりに狙った場所にキャストできるようになりました。

 

初めて渓流ルアーフィッシングを始めるなら、絶対に「ベイトタックル」がおススメです!!

 

初めてベイトタックルを使ってキャスト練習をした際の動画がコチラ↓

 

渓流ルアーフィッシングにおいて、初めてベイトフィネスを取り入れた際に感動したのには2つのポイントがあります!

 

 

渓流ベイトフィネスのメリット1:手返しが早い

 

早い流れの中で、わずかな石裏のスペースにキャストをしなければいけない・・・

 

しかも手前は早い流れで、ラインがすぐに流されてしまう・・・

 

渓流ルアーフィッシングではそのような状況が多く発生します。

 

ハイプレッシャーな釣り場こそ、そのような「小場所」に魚が残っているものです。

 

 

そのような状況で重要になってくることは、狭いスペースでいかに多くのトゥィッチアクションをルアーに入れて食わせの時間を長くとることができるかです。

 

キャスト後にリールのベールを手で戻す動作が必要になるスピニングリールでは、どうしてもワンテンポ遅れてしまう。

 

それに比べてベイトリールは着水と同時に巻き始めることができる!

 

このわずかなロスタイムの差が釣果と、釣りの際のストレスに大きな差が生じます。

 

さらに、キャストの際にもスピニングリールだとベールを上げる作業も発生するため、次から次へとポイントを打っていく渓流では大きなロスタイムとストレスになります。

 

 

 

渓流ベイトフィネスのメリット2:ピンポイントキャストがしやすい

 

ピンポイントキャスト

 

先述の手返しの早さの中でも説明しましたが、細かなスポットに正確なキャストが求められます。

 

少しキャストがずれただけで魚の反応が変わるほど、キャストの正確性は重要になってきます。

 

ベイトリールは、サミングのしやすさによってキャスト距離の微調整がやりやすく、フェザーリングで距離を調整するスピニングリールよりも正確なキャストがしやすくなります。

 

 

渓流ベイトフィネスのメリット3:カッコいい(笑)

 

 

とにかくベイトタックルで釣りをしたい方が多いように、ベイトタックルは見た目的にも機能的にもカッコいい雰囲気があります。

 

個人的にはスピニングタックルしかもっていない小学生の頃に、ベイトタックルを扱う大人を憧れていた方に多い症状だと勝手に踏んでいます。(笑)

 

その真相は定かではありませんが、スピニングタックルと違った男心をくすぐる独特の雰囲気があるのには間違いないですね。

 

 

渓流ベイトフィネスのメリット4:糸ふけがでにくい

 

PEラインが主流となった近年ではメリットにならないのかもしれませんが、ラインが螺旋を描いて放出されるスピニングリールは、ナイロンラインやフロロラインを使用すると糸ふけが出やすくラインがグシャグシャになりやすい・・・。

 

 

ベイトリールはスプールが回転してラインを放出する構造のため、直線的にラインが放出されます。

 

そのため、構造的に糸ふけがでにくくなっています。

 

スピニングリールでも着水の際にラインを指でフェザリングをしていれば、かなり防げますが初心者には難しいテクニックなので、糸ふけによるライントラブルは生じやすいかと思います。

 

 

渓流ベイトフィネスのメリット5:巻き上げパワーの強さ

 

巻き上げパワーを意識するような大型の魚が釣れない釣りでもあるのですが、北海道や海外などで大型トラウトを狙う釣りではこの巻き上げパワーが少しはメリットとなるのかもしれません。

 

スピニングリールは構造上、ハンドルの回転方向と糸を巻くベールの回転方向が異なり、パワーロスが生じてしまします。

 

一方、ハンドル巻き上げ方向と糸巻き方向が同じ方向のベイトリールは、パワーロスが少なくトルクのある巻き上げが可能になります。

 

また不意に大物の外道が掛かってしまうエリアでも、メリットとなるのかもしれませんね。

 

 

 

渓流ベイトフィネスのデメリット

 

メリットばかり書いてみましたが、逆にデメリットはないのか?

 

スピニングタックルの方が有利に働く場合はないのか?

 

その点も書いていきたいと思います。

 

 

渓流ベイトフィネスのデメリット1:飛距離が劣る

 

渓流スピニングロッド

 

5~15メートルほどのキャストがメインとなる渓流域ではロングキャストを使用する場面は少ないのかもしれませんが、場所によっては大きな淵や開けた場所でロングキャストが必要な場合もあります。

 

ベイトタックルでも20メートルほどのキャストは可能ですが、スピニングタックルの方がさらに5メートルほどは遠投が可能です。

 

渓流において飛距離を重視される方にとっては、スピニングタックルが向いている場合もあるかと思います。

 

 

渓流ベイトフィネスのデメリット2:向かい風に弱い

 

ベイトタックルの最大の敵は「向かい風」だと思います。

 

この部分も木々に囲まれた谷底で釣りをする渓流域において、向かい風と闘わなければいけない状況はほとんどないのかもしれませんが、開けた場所が多いエリアでは向かい風と闘わなければいけない状況もあるかと思います。

 

そのようなシチュエーションではスピニングタックルの方が有利になりますね。

 

 

渓流ベイトフィネスのデメリット3:糸巻き量が少ない

 

個人的にベイトフィネスリールで一番のデメリットはこの「糸巻き量の少なさ」だと思います。

 

困ったことはありませんが・・・。(笑)

 

ベイトフィネスリールは、軽量ルアーを投げやすくするかわりに徹底的にスプールを軽量化しています。

 

そのため、最低限のラインしか負けない超浅溝スプールとなっており、35メートル~70メートルほどしかラインを収めることができません。

 

 

シャロースプール

 

初心者の頃はバックラッシュをして絡んだ糸を解くことができず、釣りが終了してしまうことももしかしたらあるのかもしれません。

 

心配な方は、予備のラインやリールを持っていく方が良いかもしれません。

 

 

渓流ベイトフィネスに使用できるリールは?

 

 

渓流ベイトフィネスにはどんなリールが使用されているのか?

 

この部分にも簡単に触れていきたいと思います。

 

主に、プラスチックボディのロープロ型と金属ボディの丸形リールに分かれるかと思います。

 

SNSで見る限り、7割近くが丸形リールを愛用されているんではないかと思います。

 

なぜ、丸形リールが多く使用されているのか?

 

 

丸形リールのメリット:クラシックな見た目がカッコいい

 

渓流ベイトフィネス

 

この部分しかないのかと思います。(笑)

 

金属製であるがゆえに高級感とクラシックな雰囲気が渓流の釣りにマッチします。

 

では、どんな丸形リールが使用されているのか?

 

主に3つのリールに分かれています。

 

 

丸形リールその1:アンバサダー

 

アンバサダー2501C

 

丸形リール=アンバサダーといった印象を持つ方も多いのではないでしょうか。

 

やはり丸形リールの生みの親でもあるアンバサダーファンは非常に多い印象です。

 

既に製造はしていないため、出回っているリールの球数が少ないのが問題点。

 

渓流ベイトフィネス人口の増加とともに希少価値が高まり、オークションではとんでもない金額で取引されるようになってしまいました・・・。

 

入手のしにくさが難点です(>_<)

 

シャロースプールへの交換も必須です!

 

 

丸形リールその2:五十鈴工業BCシリーズ

 

 

渓流では、420、421シリーズが扱いやすいサイズになっています。

 

自分も愛用しており、クラシックさもありながら品のあるデザインが好み。

 

アンバサダーと比較して、かなりロープロファイルとなっておりパーミングしやすいのも特徴です。

 

遠心ブレーキなので、キャストの際の最後の伸びが気持ち良い!

 

こちらもシャロースプールへの交換が必須となります。

 

 

丸形リールその3:カルカッタコンクエストBFS

 

トラウトハンドル用のバールウッド

 

大手メーカー

のシマノ製の最新リールということもあって性能的にはダントツ1位。

 

巻き上げスピードという部分で他の丸形リールよりも早いのがオススメなポイント。

 

他の丸形リールと異なり、マグネットブレーキも働くためバックラッシュもしにくい印象があります。

 

自分も所有しており、増水時などはカルカッタコンクエストBFSを使用しています。

 

見た目もカッコいいですよね!

 

 

丸形リールのデメリット

 

丸形リールのデメリットは、主に以下の4つ。

 

1. 重い

 

2. 価格が高い ※スプール交換が必要な場合は、さらに金額アップ(泣)

 

3. カルカッタコンクエストBFSを除いて巻き上げスピードが遅い

 

4. 背が高くパーミングしにくい

 

この4つを我慢してでも、丸形リールを使う方が多いのが現状です。

 

一方のロープロリールは、この部分を全てクリアしている機能的なリールです。

 

次に渓流ベイトフィネスで使用されるロープロリールはどんなものがあるのかご紹介します♪

 

 

ロープロリールその1:ダイワ/SSエア

 

ダイワSSエア

 

ダイワ党の友人も愛用しているロープロタイプのベイトフィネスリール。

 

とにかく軽く、スプールの回転や巻き上げがとにかく滑らか。

 

細いPEラインを使用すると極稀にスプールとボディの隙間にラインが入り込んでしまうトラブルはありますが・・・。

 

コンパクトなボディで、パーミングも非常にしやすいです。

 

 

ロープロリールその2:シマノ/アルデバランBFS

 

 

このモデルは使用した経験がありませんが、一つ前のモデルは所有していました。

 

この機種になってから先進的すぎるデザインが好みでなくなってしまいました・・・。

 

ですが、性能は間違いないでしょうね。

 

 

ロープロリールその3:アブ/レボLTX-BF8

 

 

こちらのリールも所有していた経験があります。

 

レボシリーズは価格もそこまで高くなく、コストパフォーマンスに優れているリールだと思います。

 

ブラックを基調としたデザインがカッコ良く、お世話になったリールです。

 

 

まとめ

 

ベイトフィネスタックルのメリット、デメリットを個人的な主観で書いてみました。

 

ベイトフィネスタックルを愛用する身として、ベイトタックル寄りな記事になっているかもしれませんが、メリットの方が大きいように感じませんでしたか?

 

実際にヒトトキワークスでの販売比率も8:2ほどでベイトタックルが圧倒的に多くなっています。

 

恐らく、スピニングタックルからベイトタックルに移行される方はさらに増えると予測しています。

 

今回の記事を参考に、メリットとデメリットを理解したうえで是非渓流ベイトフィネスにチャレンジしてみてはどうでしょうか。

 

 

 

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